光希まさとの創造の世界へようこそ!
つれづれなるままに、硯にむかひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

古の大聖堂に伝わる、一つの物語あり。満月の夜、ステンドグラスに描かれし乙女が命を得て、大聖堂の中を歩き始めしという。その身に纏いし衣は、燃えるが如き赤き花と、夕陽を閉じ込めし琥珀色のガラスにて作られしものなりき。

されば、その姿まことに幻想的にて、月の光を受けし時は銀の輝きを放ち、朝日に照らされし時は黄金の炎の如く燃え上がりぬ。乙女の纏う花々は、まるで生きているかの如く、その色を変えゆくものなり。

或る者は言う。乙女は月の女神の化身なりと。また或る者は、花の精の姿なりと。されど、真実を知る者は誰もいまさず。ただ、月明かりの夜に大聖堂を訪れし者の中に、オレンジ色の花びらが舞い散る中、金色の髪なびかせて佇む美しき姿を見たという者あり。

その姿は、まるで永遠の一瞬を切り取りし芸術の如く、見る者の心に深き感動を残すものなりき。今宵も、大聖堂のステンドグラスは、この神秘の物語を静かに語り続けているという。
